マンガ

『今夜はねこちゃん』感想!ポプテピピック作者が送るシュールな作品(大川ぶくぶ氏)

 

あの2018年最大の問題作となったアニメ「ポプテピピック」の大人気がすぎ、新しくよいタイミングで、原作者の大川ぶくぶ氏の新作漫画が登場しました。

 

種々雑多(ダイバーシティ)ねこ4コマとの事ですが、ファンの方は安心してください。期待を裏切らない大川ぶくぶ節オンパレードの4コマ漫画です。

 

大川ぶくぶ氏の漫画といえば、「ポプテピピック」に代表されるしつこいぐらいナンセンスを貫き通した作風ですが、本作も猫の生態をある意味正確に描きつつ、独自のナンセンスさの追求をしています。

 

というより、猫の気まぐれな行動と我々人間の勝手な猫への期待や込める感情や愛情の温度差が、そもそも大川ぶくぶ氏の作風にマッチしていると言った方が良いのかもしれません。

 

人間が猫を飼っていたのは、最古の飼育例は9500年程前の古代エジプトまで遡るとする説がありますが、我々人間はその9500年間もの間、猫に対して身勝手過ぎる愛情を押し付けてきたのかもしれません。

本作には基本的に人間は台詞のみ登場するので、恐らく女性であろう事以外の素性はわかりませんが、そのどれもがひどい女っぷりを猫へ押し付けます。

 

猫に対して都合の良い解釈をする、自分の事を棚に上げて「あなただけは解ってくれる」と身勝手に同意を求める、SNS映えを狙って写真を撮ろうとする。そんな女性は実在するどころか、物凄く多いですよね。

その身勝手過ぎる愛情に対して、猫側には内心「ふざけるな」とか思われているかもしれないですよね。中指を立ててる可能性すらありますよね。

 

そして、解っていて敢えて乗って逆に煽っているという可能性もあるのではないでしょうか。

 

そうなると、猫のやっている事って完全に「ポプテピピック」の世界観やナンセンスさに繋がるのではないでしょうか。大川ぶくぶ氏は狙っているのでしょうか、それとも「ポプテピピック」の着想はそもそも猫を観察していた事に端を発するのでしょうか・・・それは考え過ぎでしょうかね。

 

本作での猫達の行動は意外なほどにギャグでもファンタジーでも、ましてやコラ的なアレでもありません。威嚇するような変顔だって、窓からエスケープだって、カメラ前でのデンプシーロールだって、猫を飼っていれば当たり前過ぎる程の日常茶飯事だと聞きます。暖かい場所と自分の好きなご飯を求めてやりたい放題。

 

その意味では作風としては鴻池剛氏の「鴻池剛と猫のぽんた ニャアアアン!」のようなエッセイ漫画に近い所があるかもしれません。

また、大川ぶくぶ氏の絵柄が意外と、猫の生態をデフォルメして描くのにマッチしているのも非情に面白いポイントです。

 

どうしても、氏の作風や絵柄というと中指立てたりビルを爆破するイメージなので、ちょっと意外でした。

しかし、この意外なマッチ感が良い接着剤となり、猫エッセイ漫画とナンセンスな漫画が見事に両立したまま融合し、本作が生まれたとも言えます。

 

まとめ

 

本作の帯にはあの羽海野チカさんの名前があります。

正確には羽海野さんの愛猫・ブンちゃんの愛読書という何とも言えない帯です。

筆者は羽海野さんの大ファンなので、よく内容を見ずに購入してしまい、お金を払った直後にこれが大川ぶくぶ氏の作品だと気がつきました。

 

面白かったから良いのですが、売り方まで含めて漫画な大川ぶくぶワールド全開という感じが良いです。狙ってるのかどうかわかりませんが。

猫の気まぐれな生態とナンセンスなギャグで生まれる新感覚な漫画、一読してみる価値はあり!